劇団四季「ノートルダムの鐘」観劇感想
京都劇場は初めてでした。京都駅の中央改札口からすぐの所にあってアクセスが非常に良い。
今まで観た四季の作品は「オペラ座の怪人」「キャッツ」「美女と野獣」「リトルマーメイド」
今回の「ノートルダムの鐘」で五作品となりました。
ノートルダムの鐘。子供の頃にディズニーverノートルダムの鐘を観た以来でした。正直記憶も曖昧。ただ悲しい物語だけど見てよかったな…。そんな朧げなものでした。
感想としてはとても良かった。
※以下ネタバレあり
出来損ないという意味で名付けられた主人公のカジモド。その醜い容姿からノートルダム大聖堂の鐘楼に閉じ籠り毎日鐘を鳴らす仕事をただ繰り返す青年。
そんなカジモドの名付け親であり彼を鐘楼に閉じ込めて庇護する大助祭フロロー。
戦場から大聖堂の警備隊長としてパリへやってきたフィーバス。
この三人の男たちがエスメラルダという1人のロマの女性に魅了され、葛藤し、物語がドラマチックに進展していきます。
フロローが単純な悪役かと思いきや、序盤から弟のジュアンとの確執、カジモドの養い親となる経緯がしっかりと表現されており、この時点でフロローに感情移入をしてしまいます。カジモドに自らを「ご主人様」と呼ばせていたり、ペットのように食事を与えながらも教育を手ずから施す関係はなんとも異質。それも含めてフロローにとっての庇護であり支配だったのでしょうか。
ただの悪役かと思っていたフロローというキャラクターがとても人間臭くて惹かれました。
「誰が怪物で誰が人間か」
物語上では怪物=フロロー 人間=カジモドなのでしょうが、エスメラルダに欲情し、その感情を消し去ろうと苦悩するフロローはよほど人間らしいと思いました。
一方でエスメラルダに「オトモダチ」と言われながらも彼女を守ろうとするカジモドの純粋な愛情も美しい。
エスメラルダを抱えながら「聖域だー!」と叫ぶカジモドのシーンは感動しました。
そして亡くなったエスメラルダとフロローに対して「ボクの愛した人は、みんな横たわっている…」というカジモドの台詞。フロローに対するカジモドの想いが伝わってきます。
音楽もとても素敵でした。舞台上には絶えずクワイヤ(聖歌隊)の方達がいるのですが、この方達の歌の迫力が半端ない。音圧が凄い。美しく、荘厳な歌声が物語を劇的に盛り上げてくれました。メインキャストの皆さんの歌声は言わずもがな。
カーテンコールの盛り上がりも凄くてスタンディングオベーションのなか繰り返し演者の皆さんが出てきてくれました。いやぁ面白かった。